かえる

びょんびょんと蛙の降る日だった
蛙はかえるとて、アマガエル
みどりでつるぴかな皮膚を煌めかせて、ぺちぺちふる
地面にあたっては「けごっ」と鳴いて、
ちょこんちょこんと跳ね逃げる

きあにさん、そん時少しコーヒーが飲みたくて、
喫茶店ばかり探してました、
茶色く濁ってそこにクリームとシュガーを
ぼちゃんぼちゃんいれてごっごっごって飲み干すの
コーヒーは嫌いなのに、
食事のあとは飲みたくなる、飲みたい

「ふんでんぞ!!!」いきなり声がした
下を見ると、確かに踏んでいた、ネガティブ虫。
「うあ!」「うあたぁなんだ!」
そいつはもうちゃきちゃきの江戸っ子らしくて、
私の足をぐぐっと持ち上げると、
「すっぱま」とかいいながら、
ひょいっと逃げ出した

「えらぅい酷い、まったく酷い」
ぱしぱし自分の体を整えて、胸のN字を誇らしげにかかげて
「youは、ぼくんのえいゆうてき活動をつぶしそこねたぞ!」
「はぁ」呆然と私は頷く
「えいゆうてき活動だぞ?」
驚かなかった私が不満なのか、そいつはちょっと目をタレ下げた
「えいゆうですか」
「ぼくんはすっぱまなんだ」
「すっぱま」
「こんな蛙の日に、ひかれそうだったり大変だったりする
蛙を助けるんだ」
「はぁ」
おかしいやらなにやらもう、あたまんなかぐちゃぐちゃだったわね
ネガティブ虫さんはふんふんと笑いながら、そん時突然

「げこーーーーーーーー!!」
「あおう!!!」
ネガ虫、ぴょんと飛んで、耳を澄まして、
「あれはか弱きかえるの叫び声だ!とう!!」ちうて走っていったわ
「ふんだねぃさん!かえるにきをつけりょう!!!」
手を振りながらね

もうほんと、なにがなんだか。