かめ

かめはかめというのです、
ちいさな頭にみみがついています
このみみのおかげで、かめのなかまにはきらわれています
みみはあかぐろく、ところどころに茶いいろの小さな毛がくるんと巻いています
かめはみみが結構好きです
ある日夜のことでした。
のったらのったらと、泡が空に浮いていました
星達のきらめきが、
泡と混じってきらきらゆっていました
かめはみみを少し撫でてみました
毛がもつれて、かめの指をくすぐりました
ああ。私は空に行きたい
かめは想ってちょっとだけ恥ずかしそうに、あたりを見ました
誰もいませんでした
いまではかめのことなんか
誰も好きになってくれないので。
のったらのったらと、月のまわりに星が踊っています
海から見えるくらげのような空は
のったらのったらと波寄せています
もういっそのこと、息を止めて死んでしまおうか
そしたら羽が生えて、空にいけるのだろうか
のったらのったら。
かめはただかんがえて、空を見つづけるばかりでした。

月が、満月でした。